2016年2月26日
福島第一原発事故で被災した住民、自治体関係者、市民社会団体などへの聞き取り調査や、2015年11月に開催された国連大学研究ワークショップ「福島原発事故後におけるリスク理解とコミュニケーションのあり方」から得られた所見をもとに、佐藤映子(UNU-IAS リサーチアソシエイト)によるポリシーブリーフ第5号が発表されました。
本ポリシーブリーフ「原子力災害とリスクコミュニケーション:福島からの教訓」は、福島原発事故後に直面しているリスクコミュニケーションの主要な課題について議論しています。そして、原子力災害が環境・医療的問題のみならず、社会的問題という側面を併せ持つことに着目しながら、日本および原子力産業を営む国々の政策策定者、原子力産業事業者やその他のリスクコミュニケーション実務者に向けて、原子力災害に関連したリスクコミュニケーションについて提言をしています。
福島第一原子力発電所事故の後、様々なリスクコミュニケーションの取り組みが実施されている。その一方で、被災者間の情報格差、放射線リスクの多様な認識、専門的かつ不確性を伴う放射線科学、根強い不信感、復興の複雑さといった困難が存在する。これらは、原子力災害に関連したリスクコミュニケーションが、継続性、適時性とともに関係者参加型で状況に配慮した対話であることの重要性を示している。
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本ポリシーブリーフは、2011年3月11日に発生した東日本大震災と津波、原発事故が人々と社会に与えた影響に着目する取り組みである、国連大学サステイナビリティ高等研究所のFUKUSHIMAグローバルコミュニケーション(FGC)事業のために実施された調査の成果です。原子力災害とリスクコミュニケーション:福島からの教訓